AIDMAとAISAS

AIDMAとAISAS

これまでの消費行動「AIDMA」とは?

 AIDMAは、消費者が商品を認知してから購入に至るまでのプロセスを表した言葉で、1920年代に米国のサミュエル・ローランド・ホール氏によって提唱されました。

「Attention(認知)」 

「Interest(関心)」 

「Desire(欲求)」

「Memory(記憶)」 

「Action(行動)」

の5つの段階のそれぞれ頭文字をとり、「AIDMA」と呼ばれています。

 この5つのステップは大別して

「認知段階(Attention)」

「感情段階(Interest・Desire・Memory)」

「行動段階(Action)」

の3段階に分けられます。

 「認知段階」では、消費者は最初に、新聞折り込み、テレビCM、雑誌広告・WebサイトSNSなどから商品の存在を認識します。

 「感情段階」では、商品を意識して「好き嫌い」や自分にとって「必要か不要」かを検討します。

行動段階」では 「感情段階」の」判断に基づいて商品の購入を行います。

 プロモーション計画を策定する際の基本的なフレームワークとして、広く定着される「AIDMA」は自動車や住宅、化粧品など…実際に商品を購入するまでの期間が長く、消費者が検討を重ねる傾向がある商材ほど有効とされています。

AIDMAフローチャート

インターネット普及時代の新しい消費行動「AISAS」

 1995年…大手広告代理店の電通によって提唱され、2005年に電通の商標として登録されたのが「AISAS」です。

「AISAS」は…「AIDMA」の考え方がインターネットが普及した現在にそぐわないとし、

新しい消費行動の形として提唱されたものです。


 「AISAS」では、「AIDMA」にあった「Desire(欲求)」と「Memory(認識)」を「Search(検索)」に置き換え、「Action(行動)」の後にShere(共有)が追加されています。


「Attention(認知)」 

「Interest(関心)」 

Search(検索) 

「Action(行動)」 

Shere(共有)


の頭文字をとって「AISAS」となります。

 「Search(検索)」は、消費者が商品の存在を認知して興味を持ち、商品名や関連するキーワードをパソコンやスマホ…タブレットなどの検索エンジンに入力して情報を得ようとする行動を指します。

 「Share(共有)」は、商品の購入後、アメーバやFC2、ヤフーやライブドアなどのブログ…ツイッターやFacebook…G+やlineなどのSNSなどのソーシャルメディアを通じて、消費者どうしが商品の感想を発信・共有し合うことを指します。

 このSearch→Action→Shareは、インターネット普及後の消費行動の変化を端的に表れしています。

インターネットの普及は情報の入手を便利にしました。

検索エンジンによって一瞬で入手できる情報は、消費者が発信するクチコミ情報と相まって…消費者の意思決定に大きな影響を与えるようになったのです。

アイサスの法則

AISASモデルを軽視してビジネスを逃す典型

 「AIDMA」のビジネスモデルを未だに引きず」っている経営者が陥る失敗のお話です。

弊社のクライアントに「住宅リフォーム」の会社がありました。
この会社は定期的に新聞折り込み広告を入れていたのですが年々、広告の効果が薄れていると相談をしてきました。
1回の新聞折り込み広告は印刷代等が20万円、折り込み代が10万円くらいでした。
3万件程度の折り込みでしたが、1回の広告で2~5件の引き合いがこれまではあったそうです。
 それは2013年ころから広告効果がどんどん薄れ、ついに昨年の広告では1件の問い合わせもなかったそうです。
この話を「時代」のせいだと思う経営者こそがまさに淘汰される経営者と言えます。

「Attention(認知)」→「Interest(関心)」→「Desire(欲求)」→「Memory(記憶)」→「Action(行動)」

新聞折込とはまさにこの消費行動と言えます。
折り込み広告を見ることで消費者は「住宅リフォーム」について「Attention(認知)」します。
そして家族の話題となり「Interest(関心)」を深め「Memory(記憶)」に残ります。

しかし現代の消費行動では「Action(行動)」へと移行しません。

必ずもっと条件のいい会社はないか?もっと安い業者はないか?と消費者は「Search(検索)」します。
ウエブサイトに優位点がない会社ではこの段階で仕事を同業他社にとられてしまいます。

顧客を発掘したのは折り込み広告を出した会社です。

しかし「Search(検索)」が加わることで、これまで「Action(行動)」を得ていた「AIDMA」企業は「時代」や「タイミング」へその責務を押しやって現実から目をそむけます。

今の時代大型量販店からスマホでAmazonや価格ドットコムへアクセスするのは当たり前の時代です。

まして、家庭で落ち着いた環境があれば必ず「Search(検索)」をするでしょう。
もしご自分の消費行動が「AISAS」ならWeb市場を軽視してビジネスが成功するわけありません
若い世代はスマホ全盛になるでしょう。
顧客の掘り起こしに数十万円投資して「Action(行動)」を奪われるビジネスモデル。

貴方のビジネスは勝ち組ですか?負け組ですか?